Case study — Snow melter & well piping

融雪槽の水が出ない
井戸配管の詰まりを、
配管を切らずに解消

札幌市北区・事業所様の施工事例です。約35年使われてきた井戸で、融雪槽と立水栓の水がちょろちょろとしか出なくなっていました。配管を掘り返して交換する前に、洗浄で水の出を取り戻しました。

水の出が

約1.7倍に

バケツ1杯がたまる時間 120秒 → 70秒(お客様ご自身による実測)

バケツ1杯がたまるまでの時間(短いほど水がよく出ています) 施工前 120秒 施工後 70秒

※一般的な10Lのバケツで計算すると、毎分 約5L → 約8.6L です。

01

お困りごと ― 融雪槽のシャワーから、水が出ない

井戸水を使う融雪槽(融雪機)で、シャワーの水がほとんど出なくなったというご相談でした。井戸ポンプから二手に分かれた配管のうち、片方の系統だけ水の出が弱くなっていました。電動弁は「カチッ」と動いているのに、融雪槽のシャワーからはちょろちょろとしか出ません。同じ系統の立水栓も、同じように弱くなっていました。

地面に埋め込まれた融雪槽のフタを開けたところ
融雪槽のフタを開けたところ。槽の中に、四方から水を出すシャワーが付いています。

もう一方の系統は、数年前に配管を交換したばかりで問題がありません。つまり、ポンプではなく、配管の中に原因があると見立てました。

井戸の配管の詰まりは、水道屋さんにも井戸屋さんにも頼みにくい仕事です。配管の交換となると床下や地面を掘り返すことになり、費用も日数もかさみます。今回は、その前にできることから始めました。

02

原因 ― 井戸水の鉄分(カナケ)が、配管の内側に詰まっていた

北海道の井戸水には、鉄分(いわゆる「カナケ」)を多く含むものが少なくありません。長い年月のあいだに、この鉄分と、鉄を好む細菌がつくるぬめりが、管の内側に少しずつ積もっていきます。

最初に外した継手の内部。赤茶色の鉄分が層になり、水の通り道が小さな穴になっている
最初に外した継手の中。赤茶色の鉄分が層になり、水の通り道が小指ほどの穴まで狭くなっていました。
本来の管 鉄分が積もった管 約35年
管の太さは変わらなくても、内側が狭くなれば水は通りません。通り道が半分になると、流れる水はずっと少なくなります。

03

作業内容 ― 配管を切らずに、井戸配管を中から洗浄する

今回は配管を掘り返さず、蛇口と蛇口のあいだに洗浄液を回して、管の内側の汚れを溶かし出しました。手順は次の4つです。

  1. 継手を外して、中を確かめる

    詰まりの程度と汚れの種類を、実物で確認します。鉄分の固い層か、ぬめりの膜かで、使う薬剤と時間が変わります。

  2. 井戸ポンプを止め、洗浄液を循環させる

    井戸ポンプを止めたうえで、片方の立水栓から洗浄ポンプで洗浄液を送り込み、配管とポンプの出口側を通して、もう片方の立水栓から桶に戻します。これを繰り返し、汚れを少しずつ溶かします。

  3. 融雪槽のシャワーを1つずつ洗う

    融雪槽の四方4か所のシャワーノズルは外して、個別に浸け置き洗浄します。細い穴ほど詰まりやすい部分です。

  4. 高圧エアーと水で仕上げる

    エアーを吹き込み、水を流し、またエアーを吹き込む。これを繰り返して残った汚れを押し出し、4か所の水の出をそろえました。最後に井戸水で十分にすすぎます。

井戸 洗浄液は入れない 立水栓A ここから送り込む 井戸ポンプ 止めて、出口側を通す 立水栓B 桶へ戻す 洗浄ポンプ 勢いを調整 桶(洗浄液) 溶けた汚れを受ける
配管を切らずに、立水栓から立水栓へ洗浄液を回します。井戸ポンプは止めておき、井戸には洗浄液を入れません。
洗浄中の桶。循環させた洗浄液に溶け出した鉄分で、液が茶色く濁っている
洗浄中の桶。回すたびに、管の内側から溶け出した鉄分で液が茶色に濁っていきます。
融雪槽の中に入り、シャワーノズルを外して洗う作業の様子
槽の中に入り、シャワーノズルを1つずつ外して洗います。

04

使う薬剤 ― 食品にも使われる成分が中心です

洗浄の主役は、食品添加物としても使われている成分です。汚れの種類と配管の材質に合わせて、当社で選び、濃さを調整しています。

安心してお使いいただくために

  • 洗浄液は、井戸の中には入れません。
  • 洗浄のあとは井戸水で十分にすすぎ、においや酸味が残っていないことを確かめてからお返しします。
  • 使い終わった洗浄液は中和してから処理します。

05

結果 ― 「最初のころのようだ」

洗浄のあと、お客様ご自身でバケツ1杯がたまる時間を測っていただきました。120秒かかっていたものが、70秒に。水の出は約1.7倍になりました。

洗浄後のシャワー。四方から勢いよく水が出るようになりました(槽の水の茶色は、配管から洗い出した鉄分です)。
「最初のころのようだ」と、喜んでいただけました。

効果について

効果は、ポンプの年数や井戸の状態によって変わります。今回の現場は、ポンプも井戸も約35年使われたものでした。作業の前に点検し、どのくらい良くなりそうかを先にお伝えします。

06

こんな方は、ご相談ください

融雪槽の水が弱くなった

シャワーの出がそろわない、片側だけ弱い、という場合も含みます。

ホースや蛇口に赤茶色の汚れ

井戸水の鉄分が、配管の中にも積もっているかもしれません。

ポンプは動くのに水が少ない

ポンプの交換の前に、配管を疑ってみる価値があります。

配管の交換は避けたい

床下や地面を掘り返す前に、洗浄でどこまで戻るかを確かめます。

他で断られてしまった

井戸の配管は、引き受け手が見つかりにくい仕事です。まずはご相談ください。

長く使っている井戸

20年、30年と使ってきた井戸ほど、一度の洗浄で変わることがあります。

07

よくあるご質問 ― 融雪槽と井戸配管の詰まり

Q. 融雪槽のシャワーから水が出ない・弱いのはなぜですか?

井戸水を使う融雪槽では、井戸水に含まれる鉄分(カナケ)と、鉄を好む細菌がつくるぬめりが、配管やシャワーノズルの内側に積もって通り道が狭くなることがよくあります。井戸ポンプは動いているのに水が少ない場合は、配管の詰まりを疑います。

Q. 配管を交換しないと直りませんか?

まず洗浄でどこまで戻るかを確かめます。今回の現場では配管を掘り返さずに洗浄し、水の出が約1.7倍(バケツ1杯 120秒→70秒、お客様実測)になりました。洗浄で戻らない場合や、配管そのものが傷んでいる場合は、交換をご提案します。

Q. 洗浄に使う薬剤は安全ですか?

食品添加物としても使われている成分が中心です。洗浄液は井戸の中には入れず、洗浄後は井戸水で十分にすすぎ、においや酸味が残っていないことを確かめてからお返しします。

Q. 他の業者が施工した井戸や融雪槽でも頼めますか?

はい、ご相談いただけます。今回の現場も、当社が掘った井戸ではありません。作業の前に点検し、どのくらい良くなりそうかを先にお伝えします。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

配管の長さ、詰まりの程度、融雪槽やポンプの構造によって変わるため、現地を確認してからお見積りします。

Q. 対応エリアはどこですか?

札幌近郊を中心に、北海道全域へ伺います。自作の移動工房トレーラーで、水道や電源のない現場にも対応します。

Q. 詰まりを防ぐ方法はありますか?

鉄分の多い井戸水は、時間をかけて少しずつ詰まりが進みます。雪が降る前の秋に、シャワーの出方と水量を一度確かめておくのがおすすめです。水の出が落ちてきたら、早めの洗浄で戻りやすくなります。

08

井戸を掘る者だから、井戸の水まわりがわかる

野島井戸工房は、井戸を掘るところから手がけています。地面の下の水がどんな性質で、ポンプと配管の中で何が起きるのか。それを知っているからこそ、交換ありきではない直し方をご提案できます。

札幌近郊はもちろん、北海道全域へ、自作の移動工房トレーラーで伺います。

現場で調べ、現場で考え、現場で直す。
まずは、水の出かたを教えてください。