FAXDMは違法じゃないの?特定商取引法と受信拒否対応の実務
結論から言うと、企業宛て(BtoB)のFAXDMは特定商取引法のオプトイン規制の対象外で、事前の承諾がなくても送れます。規制されているのは個人消費者宛てです。ただし「送っていい」と「何をしてもいい」は別の話で、受信拒否の表示と、拒否後の確実な停止は実務上の必須事項です。
規制の対象は「個人消費者宛て」
ファクシミリ広告のオプトイン規制は、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律(平成28年法律第60号)で導入されました。2016年6月3日公布、2017年12月1日施行です。
| 宛先 | 事前承諾 | 根拠 |
|---|---|---|
| 個人消費者 | 必要(オプトイン) | 請求または承諾がない相手へのファクシミリ広告の提供が禁止される |
| 事業者(BtoB) | 不要 | 「営業のために若しくは営業として締結するもの」は特定商取引法の適用対象外 |
つまり企業の代表FAXや事業所のFAX宛てに営業目的のFAXDMを送ることは、事前承諾なしでも法律上問題ありません。
それでも必ず守るべき3つの実務
| # | やること | なぜ |
|---|---|---|
| 1 | 停止方法を原稿に明記する | 今後受け取らない意思を表示できる手段を、FAX原稿の中に書いておく |
| 2 | FAXで停止依頼を受け付ける | 受け取った側がその紙で返信できるようにする。返信用の停止欄を作るのが確実 |
| 3 | 停止後は一切送らない | 一度停止依頼を受けた宛先へは、以後いかなる場合も送らない。リストから物理的に削除する運用にする |
この3点は、BtoBであっても実務上の常識として求められる水準です。守らないと苦情と拒否が積み上がり、反応率そのものが落ちていきます。
個人事業主宛てはどう考えるか
判断が難しいのが個人事業主です。法律上は「営業のための取引」であれば適用対象外ですが、外形上は個人宅と区別が付きにくいことがあります。一人親方や自宅兼事務所のケースがこれにあたります。
実務としては、BtoB/BtoCを区別せず、全件で停止方法を明記し、停止依頼を即日反映する運用にしておくのが安全です。区別しようとして間違えるより、全部同じ扱いにした方が事故が起きません。
苦情を減らす送り方
- 深夜・早朝には送らない — 無人の事務所で紙が出続けるのは、それだけで心証を悪くします
- 同じ宛先に短期間で繰り返さない — 反応も落ち、拒否も増えます
- 1枚に収める — 用紙もインクも相手の負担です
- 送信元を明記する — 社名・所在地・連絡先が書かれていないFAXは、それだけで警戒されます
停止依頼の管理をどうするか
一番危険なのは、停止依頼のFAXを受け取って机に置いたままにすることです。次の送信でまた届いてしまい、そこから本格的な苦情になります。
受け取ったその日にリストへ反映し、次回送信時に自動的に除外される仕組みを作ってください。誰からいつ停止依頼を受け、いつ反映したかの記録を残しておくと、後日問い合わせがあったときに説明できます。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報をもとにした一般的な解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。判断に迷う場合は、所管官庁または専門家にご確認ください。
よくある質問
Q. 企業宛てなら事前の承諾は不要ですか?A. 特定商取引法のファクシミリ広告オプトイン規制は個人消費者宛てが対象で、事業者間の取引は適用対象外です。ただし停止方法の明記と、停止依頼後の送信停止は必ず行ってください。
Q. 停止依頼はどう受け付ければよいですか?A. FAXで受け付けられるようにしておく必要があります。原稿に返信用の停止欄を設けておくと、相手もその場で返信でき確実です。
Q. 送信をやめた記録は残すべきですか?A. はい。いつ誰から停止依頼を受け、いつリストに反映したかを残しておくと、後日の問い合わせに説明できます。
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